違和感①「英語が話せることより、語るべき内容をもつことが大事」への違和感

「英語が話せることより、語るべき内容をもつことが大事」って聞くたびに「感じ悪~」と思っていました。

語るべきことは、持とうとして持てるものではないと思います。そもそも持たなきゃなんて思うことはないのです。持とうとしなくてもすでに持っているのですから。

私は、すべての人は生きているだけで語るべき内容をそなえていると思っています。今これを読んでくれているあなたもそうです。

あなたがはじめて留守番をしたときのこと(さびしくて泣いた?喜んでいたずらした?)、初めて幼稚園に行った日のこと(泣いてお母さんを困らせた?あっさり教室に入った?)、はじめて飼ったペット(かめ?ねこ?いぬ?めだか?)、いちばん悲しかった日、いちばん嬉しかった日、私は何も知りません。それだけで私には耳をすませる尊さがあります。

平凡な人生なんてない。自分の人生を平凡と思うのはご自由だけど、たぶんそんなふうに思うのはご自分だけ。

私は法事や地元の合唱が楽しくて仕方ありません。一見フツーのおじさんおばさんに見えるひとたちがとんでもなく面白い話をしてくれるから。地上のあちこちで私たちはそれぞれに小宇宙旅行をしているんだ、と思うほど。

むしろ、「語るべきこと」を持つために何かの一人者になってやろうとするのはおやめなさいな。ノンジャパ受けをねらってお稽古事などはじめるのもおやめなさいな。そんな魂胆では亜流、目も当てられない空港のおみやげ浴衣みたいになるのが関の山。

それにしても、どうして英語は「話す」「語る」になってしまうのだろう。いくらおしゃべりしてもひとが耳をすませなかったら、商店街のエンドレステープ放送と一緒。フランス語やドイツ語の世界と比べておしゃべりバカが多い。自戒をこめて。

相手が耳をすませてくれるひとは、まず自分が耳を澄ませている。

だから何を語ろうかなんて思いめぐらすのはおやめなさいな。耳と心をからっぽにしてひたすら耳をすませれば、語るべきことはそのとき、その場で与えられます。語らなくてもいい。泣く者と共に泣き、笑う者と共に笑えばよいではないですか。

ただ、泣く者と共に泣き、笑う者と共に笑うには頭までからっぽではいけません。

言語の構造感覚と言語の文化的背景を知っておくこと。これは最低限の礼儀です。あなたのアタマはこれらを容易に受け入れるようにできています。人間のアタマと言語は相似していますから、入れ子のようにおさまります。

構造感覚を身につけるならロゼッタストーンがおすすめ。
文化的背景を学ぶなら…これは今はナイショにしておきます。さてなんでしょね。

「ブロークンでもいい」「会話に文法なんていらない」なんて言われたらご用心、「グダグダ英語詐欺」です。あなたは上等なマウンテンバイク。箱根も一気に駆け上がれるのに、詐欺師はタイヤの空気を抜いて住宅地の大したことない坂を上らせ、声援ばかり張り切りますからね。

 

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「見るだけで剣道四段がとれるDVD」?!

見取り三段なんて言うけれど、いくらなんでもDVD見るだけで四段なんておかしいと思うでしょ?あっても買わないでしょ。

でも、英語関連はこの手のものが多いのです。自分に必要なものを選ぶにはちょっとしたコツがいります。

いろいろやったけれど聴くことが足りなかった人が聴くようになれば、頭打ちを突破するので「聴くのが大事なんだ」と思いこむ。同じように、書いてつづりを確かめるのが足りなかった人がディクテーションを始めれば、全体が改善したように感じて「やっぱり書くのが大事なんだ」と思いこむ。

炭水化物ぬきダイエットをやり過ぎてイライラしていたひとが、お米を食べてほっとする。すると「やっぱり日本人は米だ。」と言いだして今度は米ばかり食べるようになる。肉ばかり食べて調子が悪かった人が野菜を食べたら元気になって、野菜は健康にいいと思いこんで野菜ばかり食べるようになる。

そんなのおかしいでしょう?

ある程度全体をカバーしたうえで、足を引っ張っていたところ、「限定要因」を解消したのと、それだけをやるのとは同じではありません。

「~だけやればよい」を見たら「~が足りない方向け」と読み直すことです。

確かに、外国語習得に関しては万人共通の土台もあります。誰でもまず始めは「聴くこと」によってウェルニッケ野にその言語の中枢を分化したほうがよいのです。これにはネイティブの自然な語りを3か月以内に100時間聴けばよいそうです。このことは検定外教科書Progress in Englishの音声面を指導なさった植村研一博士が明らかにされました。私はたまたまに高1の夏休みにFENばかり聴き、このことを実感しました。後に教員として植村先生からこのお話を聴き、以来、皆さんにおすすめしています。トマティス聴覚発声メソッドのジャンピエール・グラニエ博士も同じことを指摘し、音声の土台なしに文法構造、語彙をマスターするのはムリ、と言っています。

その英語中枢ができたら、あとは個々の学習優位感覚を意識しながらいろいろやってみる、続けることです。

何かを学ぶということは、おもちゃを買うのとは違います。剣道の稽古に似ています。日々少しずつ積み重ねて自分を変えてゆくことです。無駄や不自然を選ぶ必要はないけれど、楽をしたい、得をしたいと考えているようでは平均層を抜け出るのは難しいでしょう。(英語学習は剣道よりずっと大衆化しているので…ええと…)

毎日少しずつ、味わいのある英語を音読したい方におすすめします。
セルフ骨導ヘッドセット「プロナウンス」

何もつけていないかのような軽さのヘッドフォンで自分の声に驚きの再会

何もつけていないかのような軽さのヘッドフォンで自分の声に驚きの再会

耳声ループを活性化して英語らしい英語が聴ける、話せるようになります。
私学中高を中心にご紹介していますが、今なら個人の方にもお分けする余裕がございます。本当はワークショップにおいでいただいてから、と思うので、代わりに小冊子を同封いたします。安全に確実にお使いいただく方法とストーリーテリングをご紹介したものです。ご購入ご希望の方は「お問合せ」からご連絡ください。

 

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パン屑が欲しければパンを焼け【日常英会話は教えません】

「冠木さんみたいに英語を話せるようになりたい!日常英会話教えて!」
ごめんなさい。お断りしています。

日常英会話を練習しても決して私のようにはなりません。

パンくず私にとって皆さんが「日常英会話」とお呼びになる部分はパン屑みたいなもの。小麦と、水と、イーストと、バターをそろえて、生地をこねて、ねかせて、焼いたパンがあってはじめて、屑が出る。

パン生地づくりから始める覚悟のある方のみ、ご相談にのります。

私のパン生地には何がはいっているのだろう…。たぶん、すべて。

ひとつには、あの、真価を活かすには教員の力量が問われる教科書、Progress in English。日本語でも読めるような結論のわかりきった時事問題など載っていない。宗教、歴史、音楽、科学史…おそらくリーダー層に必要な教養の土台。これを毎日少しずつ積み重ねてやっと自分のものになる。
TEXT
ほかにもいろいろあるけれど。

ただ、ここのところ大人の方にProgressをお見せすると、「私もこれで学びたかった!」という声をいただくので、なんとかならないかしら、と思っているところ。

追:本気でこう思っているので、フランス語独学にあたってもパン屑拾いはしていません。鳩じゃあるまいし。ちゃんとパン焼きます。

 

 

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考えるのは英語?日本語?+アルフレッド大王の逸話

「カブキさんって考える時、英語? 日本語?」
よくきかれる質問です。

「どっちも使いません」
もしかしたら何も考えていないのかもしれません。でも、調子の良い時は頭の中を言葉で一杯にして考えるコトはありません。それでは遅いです。頭の中で言葉をいじっているときは、よほどひどいことを言われて忘れられずにいる、など相当調子が悪い時です。ふだんは言葉で考えることをしません。

では、何で考えているのか?それを言葉にする試み自体ちょっと矛盾しているかもしれません。瞬間的です。イメージより閃光に近いかな。楽曲より一瞬の響に近いかな。どおりで雷が好きなわけだ。

だから、英語と日本語を同じように使って人の倍しゃべっているけれど、頭の中は英語でも日本語でもありません。口から出たときに「おやまあ、英語だった」「あれまあ、日本語だった」というわけで。これは小学校3年くらいの男の子が自分のカラダのように、考えなしに自転車を乗りこなしているのに似ています。

中学生の頃、あたまのなかで一生懸命英作文していた感覚は覚えています。あれは車の仮免とりたてくらいの感じで、同乗者はヒヤヒヤでしょうね。ぜんぜん経験が足りません。まったくインプットがたりません。

英語で考えられるようになって嬉しいみなさん、そこで満足したらもったいない。(いちいち日本語で考えないでしょ)

このレベルから抜けるにはstretch yourselfしてまとまりのあるインプットを続けるしかありません。会話集ではなく、ストーリーをおすすめします。

私が中3のときにProgressn in Englishという検定外教科書で出会ったアルフレッド大王の逸話。今年、あちこちで再会しています。さて、どう読む?まずは200回くらい唱えて動画に変換して、勝手に口から出てくるようにすることですな。
(スウェーデンの中学校の英語プリントより少しアレンジして。
筆者名等不明ですみません)

King Alfred and the Cakes

Many years ago there lived in England a wise and good king whose name was Alfred.
No other man ever did so much for his country as he;
and people now, all over the world, speak of him as Alfred the Great.

In those days a king did not have a very easy life.
There was war almost all the time,
and no one else could lead his army into battle so well as he.
And so, between ruling and fighting, he had a busy time of it indeed.

A fierce, rude people, called the Danes, had come from over the sea, and were fighting the English.
There were so many of them, and they were so bold and strong,
that for a long time they won every battle.
If they kept on, they would soon be the masters of the whole country.

At last, after a great battle, the English army was broken up and scattered.
Every man had to save himself in the best way he could.
King Alfred fled alone, in great haste, through the woods and swamps.

Late in the day the king came to the hut of a woodcutter.
He was very tired and hungry,
and he begged the woodcutter’s wife to give him something to eat and a place to sleep in her hut.

The woman was baking some cakes upon the hearth,
and she looked with pity upon the poor, ragged fellow who seemed so hungry.
She had no thought that he was the king.

“Yes,” she said, “I will give you some supper if you will watch these cakes.
I want to go out and milk the cow; and you must see that they do not burn while I am gone.”

King Alfred was very willing to watch the cakes, but he had far greater things to think about.
How was he going to get his army together again?
And how was he going to drive the fierce Danes out of the land?
He forgot his hunger; he forgot the cakes; he forgot that he was in the woodcutter’s hut.
His mind was busy making plans for tomorrow.

In a little while the woman came back.
The cakes were smoking on the hearth. They were burned to a crisp.
Ah, how angry she was!

“You lazy fellow!” she cried.
“See what you have done! You want something to eat, but you do not want to work!”

I have been told that she even struck the king with a stick;
but I can hardly believe that she was so ill-natured.

The king must have laughed to himself at the thought of being scolded in this way;
and he was so hungry that he did not mind the woman’s angry words
half so much as the loss of the cakes.

I do not know whether he had anything to eat that night,
or whether he had to go to bed without his supper.
But it was not many days until he had gathered his men together again,
and had beaten the Danes in a great battle.
w6

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英語を話すために、英会話レッスンの前に必要なこと②

前回、英語のストーリーの宝庫としてThe Story Museumをおすすめしたのは、語り手の録音とテキストがあるから。教材用のわざとらしい読み方ではく、プロの語り手の録音であることもポイント。音源なしのテキストを自分で読み上げて…はおすすめしません。ストーリーは、必ず自然な語りの音源があるもので覚えてね。便利な時代、必ずあるはずだから。

2割を見つける、それは自分への責任

さて、2-8の法則は前回紹介しましたね。シャドウイングしたり、音読したり、リピーティングしたり…全体を通してさらってみるとひっかかるところがあるでしょう?そこがあなたが集中して練習すべきところ。練習すべき個所は人によって違うはず。だから全体をだらだら同じように繰り返すのは、自分が自分でなくなっているのと同じで、無責任。あなたオリジナルのひっかかり箇所、ぜひ見つけてください。それが2人といないあなた。そこで自分と向き合ってください。

結局学ぶ対象を鏡に自分と向き合うことで学びは成立するのだと思う。だから断片的な会話ごっこロールプレイを隣の席の子と3回やったくらいじゃ、お話にならない。それで身につく程度のことは、習得してもちっともうれしくない。たいしたことじゃないんだもの。

合唱で私が実際にやっている練習を例にお話ししますね。

できない、と言う前にまず100回

ブラームスのレクイエム、難しい2割に集中、全体が変わる!

ブラームスのレクイエム、難しい2割に集中、全体が変わる!

これ、私が入っている合唱団で練習しているブラームスのドイツレクイエム。どうしても、この右ページ1、2小節目にまたがった上のソラシが出なかったのです。これも私の2割のうち。この2小節だけをやりました。交通量カウンターを手に100回。

なぜ100回?科学的根拠があるわけじゃありません。できないならできないで仕方ないけど、100回やってからそう言おうと思っただけ。もしかしたらできるかもしれないし。ただ100はそんなに多くない。まったく同じことの繰り返しでなく、毎回はっきり意識していられる。小さなチャレンジを選べる。人間の寿命に近いのか、不思議な気分も味わいました。30回くらいのころは「まだ30か~」、50回くらいから細かい音色が気になりだし、85回を超える頃は1回1回が惜しくてならず、100回終わった時には一生涯終わったような気がして。ここであと1回、2回と約束をやぶって延長しないことが大事な気がします。そういうズルをするとその前の100回が全部甘くなる、きっと。これは量が質に転化しているのではありません。量ではない。毎回質が変化している。

運転免許やTOEICを100回受けたら受験料だけで大変だけれど、この100回練習に必要なのは自分の気持ちと行動力のみ。安いもんじゃない。

 

で、100回やれば確かにソラシは出るようになる。でも1日ではダメ。毎日繰り返す。そうするとだんだん何かが定着して、自動化して、形になって、普通になる。このフレーズの場合、2週間で大丈夫、と思いました。

8割を捨てるのではなく、8割も変わる、全部変わる

ソラシだけやって他は大丈夫?と思うでしょ。だいたい大丈夫、というより驚くべき変化がありました。他の、もともと楽だった音域の響きががらっと変わったのです。楽だと思っていた歌い方も、限られた音域でしか通用しないものだったのでしょう。だから、ソラシが鏡となって「そんなの一時しのぎ」と告げていたのです。で、ソラシが出る歌い方は…他の音域にも通用するのです、あら不思議の当たり前。というわけで、2012年に入団した頃は上のミがやっとでしたが、今はその上のドまで楽に出るようになってしまいました。

あらゆる変化は大道楽、あるいは憧れ

We can change! はうまく言ったもので、We should change!ではないのです。変わらねばならない、は今の自分を否定から始まっている。それは自発的変化じゃない。義務、流されているのと大差ない。たとえば英語。話せない自分を否定して話せるように必死になる人は、次にはきっと話せる自分を否定して別の何かを求めるよ。求め続け、成長し続けるのは素敵だけれど、その原動力が否定っていうのはどうだろうね。趣味の問題かもしれないけど。私は…憧れの対象が現れるのを静かに待つことも大事だと思う。憧れは必ず向こうからやってきて誘いかける。いくら逃げても無駄。向こうから来る。まあ、憧れをかきたてられないようなものに半端に我慢して付き合っていると直観鈍ってわからなくなるかもしれないけどね。(だから、ずっと学校で過ごした先生が「グローバル人材に英語が必要です!」といってみんなに教科書で勉強させる、というのはどうも趣味が合わないのです。)

なんか、役に立たない話になってきた。

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英語を話すために、英会話レッスンの前に必要なこと①

もう大学生?あっというまにみんな大きくなるんだね。私の知らないどこへ旅していくんだろう。とても楽しみ。のびのび、遠慮なくいろいろやってね。人生には正解も失敗もない。経験と自由あるのみ。それは人からもらえるものではないよ。

さて、何人か、英語を話せるようになりたいと連絡をくれました。もう何年も会っていないのに、嬉しいことです。レッスンの調子はどう?どんな先生でもご縁があって出会っているはず。最初は「合わない」と感じる相手ほど、コミュニケーションの醍醐味を味わえることもあるよ。人と人として向き合うことを大事にしてね。

イチローだって練習する=場数だけじゃだめ

語りべに聴き入る子ども達

ストーリーに聴き入ることで、子どもは自然に言葉を学ぶ。大学生はストーリーテラーに挑戦!

イチローがあれだけの結果を出せるのは質のよい練習をしているから。試合ばっかり何度も出てもねえ。試合は不可測な状況で他者に向き合うもの。それがうまくできるには予測可能な設定でしっかり自分に向き合うこと。これが練習、稽古、型。

英語でストーリーテリングを

英語でひとつお薦めするとしたら、物語(2~7分のもの)をひとつまるまる覚えて、語れるようになること。まるで自分が書いたように。えーっとなんて言いながらやっと思い出しているようではまだまだ。テストのために100%暗記したといってもたいていこの程度。終わったら忘れちゃうから面白くない。ほんとの暗記はそんなもんじゃない。自転車に乗っていても、大根切っててもすらすら出てくるくらい、身体で覚えるまで繰り返してごらん、感覚が変わるから。10000%覚えているとしか言いようのない感覚。それを知るとひとつの物差しになるよ。

つきあってくれる仲間がいたら、日にちを決めて「ストーリーテリングの会」でお互いに語りあい、聴きあうといいね。イギリス、オクスフォードのストーリー博物館のサイト、世界中のおもしろいストーリーがそろっていておすすめします。(今年、訪問して一緒にできることを進めてみるつもり。)

頭が言葉で忙しくなるのはインプット不足の証拠

英会話レッスンで一生懸命話している時、頭の中でことば探し、英作文をしていない?それはインプット不足の印。その状態のまま繰り返すのはもったいない。たぶん間違いもある。残念だけれど、がれきはどれだけ積んでもがれきなのよ。

インプットが十分、とはコップになみなみと水が注がれ、余った水が自然にあふれ流れているようなもの。インプット不十分だと、まだ2割しか入っていないコップを傾けてはこぼし、また少しいれては傾けて、を繰り返しているようなもの。まずコップをいっぱいにした方が楽で自然でしょう?それがストーリーを覚えるコト。

耳・目・身体を使って覚える

人間は聴覚、視覚、体感覚から新しい情報を学びます。この3つ、日々全部使っているけれど、自分のお気に入りはどれでしょう?逆に苦手で避けがちな感覚は?長い通学時間を活かしてイヤフォンで聴いてはシャドウイングしているとしたら…聴覚をメインに使っていますね。たまには読む、ディクテーションをする、などでバランスをとるといいかも。

全部をダラダラではなく、大事な2割に力を注いで!

さて、練習を始めると、覚えやすいところと覚えにくいところ、発音しやすい語とそうでないところがあるでしょう?さあ、どうする?全体を同じように何度も繰り返す?私のやり方は違います。いま、英語のストーリー15話くらいと外郎売の口上を全部覚えているけれど、全体をだらだら同じようにやったことはありません。さあ、どうしているかは、次回のお楽しみ。交通量計測のカウンターを使うのよ。なぜでしょう?

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自然な英語が聴ける、話せる セルフヴォイス骨導システム「プロナウンス」

人間の代わりではなく、人間の感覚を活かすツールを

エンドユーザーがすぐに使えるツールを作りたい、とサウンドフォーライフ社のメンバー。

エンドユーザーがすぐに使えるツールを作りたい、と盛り上がるサウンドフォーライフ社。中央、ティエリ・ゴジャラング社長、右、グレゴワール・トマティス取締役

東京お台場ビッグサイトで開かれたアジア最大の教育ITソリューション展示会。電子黒板、タブレットといった視覚ツール目立つなか、香港の「サウンドフォーライフ社」が発表したのは英語学習を革新するセルフ骨導マイクヘッドフォン「プロナウンス」。自分の耳と声の力を活かして自然な英語が聴ける、話せるようになる異色の聴覚ツールです。

トマティス聴覚発声メソッドが土台に

聴覚発声トレーニングのトマティスメソッドをベースに、誰でもすぐに使えるツールです。これまで学校関係者として来場していた私も、今回は出展社の現地コンシェル&通訳として出展する側を体験。

ヨーロッパ&禅を思わせる洗練のブース。海外法人との商談もスムーズ。

ヨーロッパ&禅を思わせる洗練のブース。海外法人との商談もスムーズ。

このマイク、英語を音読、話す声を拾うと、英語には過剰な母音を抑え、不足気味なシャープな子音の要素をプラス。英語のリズムとメロディを増強して骨伝導でフィードバック。たとえば、日本人に余分な語末の母音が弱く、子音がクリアーになるんです。だからpotを「ポットオ」と発音しても「ポッT」のように聞こえます!しかも脳をぼうっとさせない工夫もバッチリ。

ここで嬉しいのが人間の音声器官の素直な性質。耳から入ってきた音を無意識に再現しようとするんです。つまり、ちょっと下駄をはかせてもらった自分を追いかけて本当の自分がどんどん自然な英語に近づく。そんな好循環を生み出すんです。

人間も自然の一部。そんなありかたを応援してくれるようにも思いました。

日本の学校プロジェクト、始まる

シュタイナー教育でおなじみの蜜蝋クレヨン。布絵のストーリーテリングとも相性◎。

シュタイナー教育でおなじみの蜜蝋クレヨン。布絵のストーリーテリングとも相性◎。

まだ正式な研究は日本ではなされていませんが、私は大学、高校の授業での試用を始めました。パワフルなツールこそ反応が分かれるもの。「これ、すごいです」と声を上げる学び手には、とてもおとなしくて人前で声を出すのが苦手、自分の発音に自信がないひとが沢山。そんな学び手たちが安心して声を出せる味方です。ご関心おありの先生、どうぞご連絡ください。

ただいま、サウンドフォーライフ社では日本の国内法人の皆さまのための注文システム、アフターサービス整備中。どうぞお楽しみに。それまでの間、無料体験会のご案内、ご購入希望、お問い合わせはお気軽にこちらまで。

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若い学び手に、成功体験より大事なこと

できるようなってからより、できるようになるまでが肝心

逆上がり、自転車乗り…ものごとの達成には成功体験が大切だというけれど、まだ一度もうまくいっていないときはどうしましょ。

うまくいっているイメージが大事?まあ、それもそうかもしれないけれど、私はあまり若い学び手(小学生~大学生)に自己啓発じみたアプローチはしたくないんです。まだできないことをうまく想像するのが難しい子もいるでしょうしね。

私が一番大事にしているのは、そばにいる先生が信じきること。
「君ならできる。」
「君は大丈夫。」
その子が優秀だから、とか気に入っているから、ではありません。

「もしこれがうまくいかなくても、君はひとつも欠けることはない。経験は糧になるし、必ず君の道は備えられる。」

目の前にいる学生、生徒が大いなる存在に愛されていることを私が信じるのみです。

信じられていると感じた学び手は爆発的な力を発揮します。自分への評価や批評も自分でできるようになる。はじめはモデルを示すとよいようですが。

「まだできないのか」
「お前には無理、やめておけ」
「要領が悪いんだよ」
「運動神経が悪いから」
と批判を浴びながらでも頑張れる子はいます。私がそうでした。でも心に刺さったとげは、じわじわ効き続けてなかなか抜けません。

そんな私が「信じてもらうことの爆発力」に出会ったのは中高のミッショナリー、大学の恩師だったように思います。英語は避難所でしたから、英語で仕事をしたいと思ったことは一度もありません。今日でやめなさい、と言われても取り乱さないでしょう。やめたいと思ったことは何度もあります。でも、どうもやめさせてもらえないのは…「信じる力」で若い魂に火をつける旅を続けよ、ということのなのでしょうね。英語の通訳養成とストーリーテリングはそのための手立てです。

信じていることを伝えるのにふさわしい発声、していますか。
まず、生徒の声に耳をすませていますか。
学ぶ力が耳から育つ、先生のための発声ワークショップはこちら

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授業参観を楽しもう!

新しいクラスでの授業参観もハイシーズンのようですね。

先生は突然一張羅をお召しになり、子どもたちもすっかりお行儀よくなり…親ごさんの姿がこんなに特別に感じられる日はありません。緊張しつつもどこかおかしく、楽しいイベントです。

さて、私が授業参観でまず関心をもつのは…子どもがのびのび学べる環境が整っているか、ということです。

・先生の発声は喉声になっていませんか。響きゆたかなよい声でしょうか。
・壁は掲示物でいっぱいではありませんか。特に子どもの視線の高さで。
・先生は一方通行で情報発信ばかりしていませんか。耳、目、手、からだをバランスよく使うよう授業を組み立てていますか。
・先生は「よくできた」「だめだ」と評価ばかりしていますか、それとも「ここは~ふうにやったのだね。どう思う?」と子どもの気づきを促す言葉かけをしていますか。

どの子どももなすべきことに一生懸命とりくむものです。隣の子どものノートばかり覗き込んでいる男の子がいました。この子は黒板をノートに写そうとするのですが、頭を動かすたびに身体も動き、眼の遠近調節も未熟だったのです。自力に根性を燃やすより、お隣を覗いたほうが現実的に有効。なんと賢い選択でしょう。それを先生が道徳的に「隣を覗いてはいけない」と叱るのは誤爆です。お母さんがあとで「あなた、となりばかりのぞいていたでしょう」と指摘することもありません。

どうして心配しなくてもよいのかは、7月発売の「動きが育てるバランスよい子」がおすすめです。

春の気持ち良い日、子どもたちがいきいきする授業にぴったりです。子どもたちがいきいきすれば、ママが楽しく、先生も嬉しいはず。

授業参観、お楽しみください!

(あとでここにリンク足します―学ぶ力を伸ばす先生の発声ワークショップ)

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就職しても英語を学び続けたい学生さんに①

就職活動、内定、卒論執筆、提出…そして卒業、就職。よくがんばりました!来年はさらに想定外のことが続くでしょうね。沢山泣いて、笑って、鍛えられて、愛されて、世のため、人のために自ら喜んで働く人になってください。

さて、あちこちから就職しても英語を学び続けたいという声が聞こえてきます。英検準1級くらいの方を念頭に、コツを少々…

1つのものをじっくり

単語集、文法解説、英文和訳、リスニング…とあれこれ買い込んだのは中高時代の話では?どれも文字がメイン、音声はCD。

もう今は動画の時代です。

もちろんなんでもいいわけではありません。質のよいプレゼンとじっくりつきあうことをおすすめします。以下、TEDを念頭に通勤スマホで週に1つのプレゼンを自分のものにするサイクル一例です。

①さらっと視聴
(②律儀な人は、スクリプトを見て内容確認)
③見ないで聴く。何度も繰り返して。内容をイメージしてあたまの中で映画を作る。わからない単語があるときだけスクリプトを見る。
④シャドウイング。口が回らないときはハミングでも。

⑤週末にでもそのプレゼンのコンセプトマップを描いてみる。100円ショップの小さなラベルシールが便利。

文章をラベルシールで図解

文章をラベルシールで図解

⑥そのラベルシールをもとに自分でプレゼン再現。怪しいところはスクリプトを見ればよい。
⑦ディクテーション(聞き書き)もよし。

さて、TEDはこちら。音声もビデオもDLできるとは!
TED ideas worth spreading

ただの暗記ではなく、ホントの暗記を

英語って暗記ですか、と何度聞かれたことでしょう。「覚えなくてはいけないことがある」のはあたりまえです。ただ、「覚えただけではだめ」です。やっと思いだせる程度の覚え方では浅いです。whisper=ささやき、と覚えるとときにwhisperという音がいかにもささやきらしいのをよく味わって覚えて下さい。

言葉を手掛かりに想像力で自分の心のうちにひとつの世界を作るのが人間の覚え方の宝です。文字は音声に、動画に変換されてひとつの世界をつくる。英語文字を日本語文字に置き換えただけではコンピューターの覚え方と一緒です。(即刻退場命じたい下手な通訳のやっつけ仕事と一緒、ともいう。)

プレゼン1つ、物語1つ、まるまる、自転車をこいでいても、大根切っていてもすらすら出てきてとまらないくらい身にしませてみてください。10000%覚えている境地です。暗記ってほんとうはこういうことじゃないかしら。私は聖書のさまざまな箇所、「外郎売りの口上」、「知らざあ言ってきかせやしょう」、英語のストーリーの数々でこの境地を体験しています。だんだん、それが普段の感覚になるとなかなか面白いことがあるもので…!

ではではGood luck!

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