その学習支援(治癒教育)が20世紀の亡霊になるとき(12月17日)

englishmaterial1発達障がい、学習困難と言う言葉が知られるようになりました。

国内外からさまざまな支援方法も登場しています。

私はシュタイナー治癒教育を中心に、
さまざまなメソッドのの通訳をつとめました。
学び手を見る目が開かれる思いをしたこともたびたびです。
たとえば…

…いわゆる「困らせる子」こそ困っていて怠けてなんかいない、
そういう子どもこそ先生の魂が呼び寄せた
「先生を育てるための先生」…

…「困らせる子」こそひとの感覚と運動の育ちの本来の秩序を
ゆっくり見せて教えてくれる…

…「健常児」「できる子」こそ無理していることも。
本物の学習支援は無理しているいい子にこそ
安らぎを与える…

ひとの育ちのしくみの神秘を学べば学ぶほど、
実はこどもをいじって直すなどは不遜なことで、
大人こそ理にかなっていない教え方をあらためてなくては
、と思います。
この信条に適うのがイギリスのINPP(神経生理心理学研究所)の
原始反射・姿勢反射・運動感覚発達の講座でした。

さまざまなメソッドの通訳をしていて気付いたのです。
講座テキストの参考文献リストには必ずこの研究所の名前が!
文献ににじみでる謙虚さ、学問的公正さに私は感銘をうけ、
みずから参加して学ぶに足る講座はこれ、と思い渡英しました。

INPPの現所長、サリーさんははっきり書いています。
「原始反射統合のエクササイズを個別に指導することもできる。
でもいわゆる気になる子の8割は、
感覚を活かし、たっぷり体を動かすよう
学校の授業を工夫することで十分成長できる。」

だから、私も先生たちに運動と感覚のしくみの素晴らしさ、
つまり人間は楽器であること、その調律方法をお伝えしているのです。

子どもの発達・学習メソッドにもいろいろあるようですが、
私がしないことははっきりしています。

①「アメリカの最新の脳科学によると~」をエビデンス代わりにしない。
このフレーズはなぜかスピ系でよく見かけます。
日本人の体質、生活を考慮に入れていないことが多いようです。

②「強く、早く、沢山、正確に」、という20世紀型生産性の再来をゴールにちらつかせない。
「~~すると鉛筆が楽に持てるようになる、
字が速く書けるようになる、計算を間違わなくなる」
というと結構なようだけれど、
「強く、早く、沢山、正確に」、という
20世紀型生産性の再来ではありませんか。
そんな時代が終わったことはもうはっきりしているのでは?
私はゴールを設定するという発想自体にも、
「武道の修行」の観点から限界を感じます。
まあそれはまた別稿で。

お子さんたちが困っていれば何とかしたいと
思われるのは無理もありません。
不安を抱えるお母さんたちは藁をもすがる思いです。

でも、お子さんを制度に合わせる努力の100倍、
制度がお子さんに合わせるよう努力を求めてよいと思いませんか。
実は、そのほうがお母さまも先生も肩の荷が下りるはず。
理に適うようになるのですから。

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