日本の季節行事に仲間入りしつつある復活祭、イースター。クリスマスやハロウィンと違って日にちが固定していません。春分(=彼岸の中日)後、最初の満月のあとの日曜日というややこしさです。それだけ自然のリズムに関係が深いのですね。今年は3月23日が満月なので、イースターも早めの27日でした。
さて、復活祭なのになぜ「復活」を意味する「リザレクション」祭り、「リバイバル」祭りでなくイースターと言うのでしょう。
よく律儀なクリスチャンの方は「日本は八百万の神や仏をごっちゃにしてけしからん」とおっしゃいますが、その言葉はそのまんま昔のキリスト教会にお返しいたします。そんな堅いことばかり言っていたらこれほど広く受け入れられているわけがありません。
イースターは昔むかしのゲルマン神話の女神、Eostre(つづりは色々)の祭りでした。最近では日本のゲームにも登場して「エオステル」という名前で出稼ぎしているようです。
エオステルは豊穣の女神であり、新しい命に満ちる春、多産のウサギ、無垢な卵はいかにも彼女にふさわしかったのです。ですから卵とウサギはイエス様の復活には何の関係もありません。日本なら別に団子とイノシシだっていいんです。
彼女の祝日は3月21日。お彼岸のお中日で、満月だの日曜だの言っているイエス様なんか待ってません。 ちなみに「エオステル」は「輝き」「東」を意味するそう。地上に生命力を吹き込むのは太陽の光、それも西ではなく東から差し込む光です。
ちなみにイースター島はオランダの方が復活日に見つけたというのでイースター島となりました。「オースト」リアはドイツから見て東なので「東の国」。「オーストラ」リアは「南の国」。ローマ神話の南風の神、Austerアウステルに由来します。アメリカのヤフー質問サイトでは「オーストリアとオーストラリアの違いは?」という質問があります。「オーストリアは中央ヨーロッパに位置し、他方…」と真面目な回答がいくつもあってちょっと笑えますが、語源ストーリーとして説明したものは見当たりません。
「外国語を身につけるには現地に暮らすべし」という人もいますが、それは目指すレベルによるのでは、と考える次第です。